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過ぎゆく季節

そもそも夏って、昔から私のなかでは、風景にみる印象の強さと裏腹に、

四季のなかでもとりわけその短さに、去り行く季節に少しばかりセンチメンタルな感情を持つのです。
盆過ぎて人影のなくなった砂浜にみるように。
そして一瞬、あと何度夏は巡りくるのだろう、と思ったりもします。
 

考えてみれば、昔に比べ四季の移ろいは随分とめりはりを薄めてしまいました。
しかしそれでも、此の日本という国は、なんと繊細で美しき季節に恵まれているのだろうと思うわけです。

 

いつしか蝉の声は消えてしまって、ふと気がつけば朝夕の冷気を感じる今日此の頃。

 

やがて、「今日、秋になったのだ!」と確信する日が訪れます。
毎年実に不思議に、確実に秋の訪れを感じるその日。

 

なんだかまた旅に出たくなってしまいます。
友と酒場で一杯やりたくなってくる、人恋しい季節到来です。

 

流れる年月のなかで、季節を愛でる心の余裕を持ち続けていたいものです。