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彼岸花

写真というのは、同一の被写体を何度撮ったとして、一つとして同じものを写すことができるわけではありません。

微動だにしない被写体も、太陽の陰りや風の流れ等々によって、刻々とその表情を変化させています。
又、撮る側においても、人の感情はその都度揺れ動いているわけで、被写体に対峙して場面場面に写し取られたものは、その時における心が、微妙に反映されるものです。
 

人には、心動かされる瞬間というものがあります。
その時を感じ取れるか取れないか。
大切な瞬間に出遭う為には、心に純なるものを持ちあわせていなければならない。

 

人生においても同じことが言えます。
人生の岐路に立った時、我が良心の羅針盤持っていれば、紆余曲折の中にあっても、針は信頼の振れを見せ、迷路にはまることなく先に導かれることでしょう。

 

積み上げていく人生の大切な一瞬一瞬の為にも、その心は澄んだものでなければなりません。
物質偏重に囚われることなく、美しきものに見て触れ、沢山の感動体験を得ていく。

 

生き方や他人との交わり方、師の選択、会社選び、社員採用、はたまた人生の苦楽を共にする伴侶選びも、人生における数々の選択場面には、個人のセンスが光るものです。

 

日々流れていくかけがえのない一人ひとりの人生。
如何なる能力を持つより、刻々と流れ行く大切な日常において、人情の機微を知り、大切な一瞬を心に掴み取る感性を持つなら、きっとその人の人生路は、写真の様に美しく切り取られていくことでしょう。

 

巡る四季の様に、人生のアルバムも彩られたものでありたいと思います。

 

白の彼岸花が好きです。
数年前にたまたま道端に見つけ撮ったこの彼岸花。
上手下手は別として。
その後、此の時期になると白を求めてあちこち見るのですが、
私の中ではま、だ此の白以上に出遭っていません。