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エンディングノート(part4)

現代社会においては、親と同居できる環境は少ない。

経済的にも余裕があり、住処としての生活環境に恵まれていれば、やがて年老った親を引き取り同じ屋根の下で暮らすこともできるでしょう。


「一緒に暮らすから来なさいよ」
子に声を掛けてもらえるなら嬉しいですね。
しかし、先行きの不安に、例え長年住み慣れ思いのある地を離れることになろうと、同居より、狭い住処でもいいから居を別にした方がよろしいかと私は思うのです。

親子の関係は、遠く過ぎ去った時代と、我が子が成長し独立して世帯を持った今とは既に違うのです。
子は既に巣立った子。

如何に良好な親子の関係であろうと、生活スタイルは異なり、与えてもらった一室があったとして、やはりどこかしこに疎外感と寂しさが残るかもしれません。
日曜日に家族が出掛けたとして、いつも一緒に出掛けられることもない。
空っぽになった家で一人ぽつんと居残る寂しさもあるでしょう。
同居とは、それらを承知したものでなければなりません。
過大に頼り過ぎない。
親子あっても互いに尊重した間合いを必要とするのです。

理想は、いつまでも元気で自立しておくこと。
年老いても田舎でいまだ一人暮らしで周りに助け合う知人も多くいる。
生活環境の異なる場所に追いやられるより、余程長生きでき、子孝行親孝行になるのかもしれません。

基本は子に頼らない。
現代は、いつまでも親に頼っているような子もいますが。

そして残念ながら現代社会は、自己利優先、動物にも劣って子を育てる責任を放棄している光景が多々見受けられます。

親は親の責任を果たし子は子の責任を果たしながら、互いに過度の頼り合いをすることなく自立精神を持つこと。

社会においても、例え親子であっても、そのような関係を良とし、その上で、互いに人ならではの慈しむ心を忘れない。