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幸せなる生活音

毎朝、台所から聞こえてくる炊事音で目覚めます。

コトコト カタカタ
まな板を叩く音、鍋のふたを開け閉めする音。
結婚して三十年。
旅で自宅を不在にする以外、この生活音が欠くことはありません。
もちろん夜の仕度も。

 

子供の頃の私の記憶に、母が料理をしてくれた記憶がありません。
しかし代わりに、祖母が日々してくれる同じ音で目覚めたものです
子供時代は、まだ釜戸での煮炊きでした。
釜戸という言葉を分る人もすでに少なくなっているかも。^^;

 

知らぬ間に、当然の事として日々聞いているこの生活音。
気が付けば実に平和で幸せなる生活音です。

 

母親は、子に菓子パンを与え、寝床から「いってらっしゃい」と声を掛けるのではなく、是非台所に立って欲しいと思うのです。
豪華や上手いに関係なく、手料理というものは、家族における心と愛の重要素でもあるのです。
何より、母親の台所に立つ姿は、家族を幸福に導く力があります。

 

喜ぶ顔を見たい、栄養を考えてこうしてあげたい・・
優しさや思いやりの延長に、おのずとその行為が存在すると考えます。

 

そして知らぬうちに、子の心に育まれる大切なものが、きっとあるはずと思うのです。